経験教育の産業化

教育の話。

 

教育産業には大きく2つある。

 

ひとつは、学歴教育産業。これは、キャリアとの繋がりが実証されているものだから投資対象となる。中学受験も高校受験も大学受験も全ては、ちゃんとした企業への就職を有利に進めさせるために頑張る、と言っても過言ではない(もちろん例外もある)。その他には、資格試験・英語教育なんかも、こちらのモデルに含まれる。矢野経済研究所(2013)によれば、この学歴教育モデルを前提とした市場規模は2兆5000億円程度だそうです。大きいな。

 

もうひとつは経験教育産業。これは、キャリアとの繋がりが曖昧だから投資対象となりにくい。具体例は、部活とかボーイスカウトとかボランティアとか。これらの活動によってキャリアにプラスに働くかどうかは分からないが(体育会などはキャリアにプラスに働く部分もある)、そこでの「経験」そのものが大事であるという認識が共通にある。ゆえに、その経験そのものを目的とする意味で経験教育産業と勝手に呼ぶことにした。こちらの市場規模は、シンクタンクなどが発表していないので調べようがない。というのも、ほとんどが地域社会からの経済的及び精神的な寄付によって成り立っているものがほとんどだからだ。もし、こちらの市場規模を調べられるとするならば、そこそこの市場規模はあるような気はしているが、学歴教育産業とは比にならないくらい小さいだろうと思う。そういった意味で、「産業」にさえなっていないサークル的なノリを引きずっているのが経験教育産業の正体といったとこだろうか。

 

俺は学歴教育も経験教育も両方とも結構大事だと思っている。ただ、どちらが面白いと思うかと問われれば経験教育の方だと答える。そういうことで、経験教育をちゃんとした「産業=継続する仕組み、経済が回る仕組み=人が雇用される仕組み」を創っていきたいなぁとおもうのである。