頭でっかちな起業は失敗

「これ儲かるんじゃねぇ!?」という言葉から生み出されるビジネス。

 

起業する際には、崇高なリネンとビジョンを持ち、そのリネン・ビジョンから落とし込まれたビジネスを行うべきである、という言説はよく聞くことである。この観点からすると、商人の勘から導かれる「これ儲かるんじゃねぇ!?」ビジネスは、どこか胡散臭く映ってしまうものである。

 

でも、ちょっと待てと思うのである。その「これ儲かるんじゃねぇ!?」って思ったのは、自分がこのサービスならイケるでしょって思うからこそ、そう呟いたはずなのだ。つまり、自分は、そのサービスにおいてオッケーを出したってこと。もちろん、それが現実的に実行できるビジネスであるかどうかは別問題であるが。

 

儲かるって言葉には、他人を騙して金をぶんどる的なニュアンスを感じてしまう側面があったりなかったりする。でも、ふつうに考えてみると、儲かるためには他人から支持をもらわなければならない。それが騙しだとしても、少なくとも「なるほど~、それだったら私買いたい」って思わなければならない。そういう意味で儲かりそうだ、と思うのは、騙すというより共感のパラメーターとして考える方が建設的である。

 

じゃあ起業のリネン・ビジョンと一貫性のあるビジネスを行いましょうという言説は、どうだろう。もちろん、これはとても大事なこと。でも、リネン・ビジョンから論理的に導かれるビジネスなんて形になりゃしないってこと。他人の共感なんぞ得られないことが多い。俺は、ここで苦しんだなぁ。

 

そうではなくて、「儲かる!!」という直感とリネン・ビジョンが一本に繋がる点が、あるときに訪れるってことだ。これは、意図して求められるものでもない。創発的なもの。


頭でっかちに起業についてうにゃうにゃ考えていると、いつまでたってもビジネスになりゃしない所以がここにあるのだろうと思う。


頭でっかちにならないようにしないとな。